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Autumn&Winter2022-23 ピッティ・イマージネ・ウオモ

出展社数が200増え、復活の方向に動き出す


世界60ヵ国からバイヤーが来場

 新しい年が明けても継続するコロナ禍の中で、「101回ピッティ・イマージネ・ウオモ」が1月11日から3日間、「Fortezza da Basso」(バッソ要塞)で開催され、前回に引き続き「ピッティ・ビンボ」との併催となった。
 出展ブランドは548ブランド(イタリア国外151ブランド)、デジタル参加37ブランドを合わせ約600ブランドの出展数は、前回よりも約200ブランド増え、回復の方向を予感させた。
 感染者の増加を受けて、予定されていたファッションショーは延期され、大手有名ブランドが直前にキャンセルするというハプニングがあったにも関わらず、困難を乗り越える前向きな姿勢が垣間見えた見本市となった。
 来場者は約8000人で、半数以上の約4900人がバイヤーだった。国外からは60ヵ国からの来場があり、全体の3割を占めた。
 国外の内訳はオランダ(134人)、フランス(134人)、スペイン(123人)、ドイツ(118人)で、ほかにはイギリス、スイス、ベルギー、アメリカ、ロシア、北欧からは60人が来場した。少数ながらアジアからの来場もあったが、日本からの来場者に会場では遭遇しなかった。


来年はサステナブル考慮の新生ピッティを計画

 初日に行われたオープニング記者会見では、フィレンツェのダリオ・ナルデッラ市長が「ピッティは、市内の主要な鉄道駅から見本市会場まで歩いて5分という好立地にあり、ファッションと繋がることがフィレンツェ経済の後押しとなっています。コロナ禍の影響で我々はさまざまなことを学びました。テクノロジーの発展、デジタルを駆使した新しい取り組み、フィレンツェは過去を引きずるのではなく、コンテンポラリーな街として、新しい視点で未来に向かう機会を与えてくれたピッティに感謝します
とコメントした。
1952年からスタートした同見本市は、70年という歴史がある。現在、有名建築家とコラボレーションしたパビリオンなど新しい会場作りを計画しており、来年はサステナブルを考慮した新生見本市になる予定だ。

「カンペール(Camper)」ファッション&ハイクオリティ

 「カンペール」は、今回の展示でファッション&ハイクオリティをアピールすべく、2年振りに復活した。
 メルセデスベンツの内装に使用されている、機能的な「Kvadrar」の生地をアッパーに採用したモデルや、カラフルなミシュランのラバーソールを採用したモデルなど、高級素材を使ったコレクションを披露した。
 ツインズもよりカラフルになり、ファッションよりのアプローチになっている。


「パラディウム(Palladium)」75年記念モデルはシックなカジュアル

 1947年にフレンチミリタリーをベースに誕生したフレンチ・カジュアルブランド「パラディウム」が、75周年記念モデルを発表した。
 白黒モノクロのハイカットモデルに、フランスのシンボルであるトリコロールカラーをさりげなく採用、シックなカジュアルデザインに仕上げている。
 ピッティ展への出展は、コロナ禍流行以来、初めて公の場での発表となった。





「プレミアータ(Premiata)」新たにアーバンアウトドアのアウターを追加

 イタリアのシューズブランド「プレミアータ」が新たにアウターを発表、3年前に発表したリュックとともに、トータルでブランドの世界をアプローチしていく。
 リモンタのナイロンや防水加工素材を使ったジャケットは、ビンテージの雰囲気を持ったデザインで、全体的にアーバンアウトドアでまとめたコレクションは、男女関係なくコーディネイトが可能だ。
 


広がるサステナブル商品の開発

 会場内には、所々にサステナブル・スタイルを発信するエリアが設けられ、サステナブル商品の広がりを感じさせた。
 「ヴィブラム」では、コンポーネントを組み立てて、誰でも簡単に靴が出来るキッドの紹介、アッパー素材は「シャラーダ」のエヴォロ≠ネど、全ての材料がサステナブル素材となっている。
 イケテイの「フジタカ」は、サステナブルを意識したコレクションを全面的に展示、SDGsを目指す企業姿勢も同時にアピールした。