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新業態店 レザーボックスTOKYO(東京・足立区)

中古シューズをキレイに再生し、手ごろな価格で販売

趣味の靴磨きからスタート。モノを大事にする心を養う

「レザーボックスTOKYO」は、まだ履き続けられる中古のシューズを捨てずに再生し、ユーザーに手ごろな価格で販売するショップだ。最近のサステナブルな意識の高まり中で、環境に配慮した新たなビジネスだ。仕入れる中古シューズは、店主自身がネットで探して入手している。
オーナー店主の大橋悠里さんは、飲食業から転身した人。独立してこの店をはじめたきっかけは、靴磨きに出会ったことから。
「靴磨きは趣味ではじめたのですが、面白さを感じ、靴磨きの看板を掲げて店を開きました。持ち込まれるものの中には特段、良い靴ばかりでもなかった。安いモノでも何年も履かれて、大切に使おうという気持ちがこもっていた。時流的にSDGs(エスディージーズ)が叫ばれており、靴磨きを通じて“モノを大事にする心を養うきっかけになれば”という思いでこの店を始めました


衛生的に再生した商品は新品の3割〜4割で販売

リサイクルショップで出回っている中古品・リサイクル品と、レザーボックスが扱うシューズの違いは、クリーニングやメンテナンスを施し、美しく良好な状態にしてから売り出していること。衛生的で、前の持ち主の癖による履きシワも消され、型崩れもできるだけ元に戻している。「キレイに再生した靴の作例を展示することで、靴磨きへの興味と靴を長く履くことの大切さを認識してもらえれば」との考えが根底にある。
価格は、メンズで新品のおよそ3割〜4割ほど。レディスは5割、中には9割程度という安価な商品もそろえている。人気ブランドに「リーガルシューズ」があり、購入者からは「まるで新品のよう」「前の持ち主の方が手放した理由が分からない」という声が寄せられるという。

靴好きマニア層ではなく一般向けサービスを貫く

店ではスニーカー、ブーツ、パンプスといったさまざまな靴靴を扱い、磨き作業やクリーニング、リペアをはじめ、洗浄・殺菌消毒などのメニューを用意している。実店舗での磨き作業や無料カウンセリングのほかに、ネットの活用により全国各地からの相談にも対応している。店から半径3キロ圏内なら、忙しくて来店できない人に対して、訪問型のサービスも行っている。靴のメンテナンスに関してはひととおり応えられる体制だ。
サービスの対象を、靴好きのマニア層にはおいていない。宣伝はSNSで行っているが、ターゲットはあくまで一般の人。業務のテーマが「モノの再生」であり、その啓蒙活動のひとつとしてサービスを行っているからだ。
「靴磨きをきっかけに“より多くの方にモノを大切にする意識を広げたい”というのが目的の第一。ですからこだわりの強い方には“都心などにもっと靴磨きに卓越した腕を持つお店がありますよ”とお話することもあります」。

「ゴミの削減」を目標にアパレルも加える

広く周知するためのプロモーションについては、まだ模索段階にあるが、トライアルの一環として、アパレルも扱うようにしている。
「洋服を預かり、ネットで掲示して販売しています。売れたら手数料をいただくしくみです。単純にリサイクルショップに持っていくと、アパレルはほとんど1円になってしまいますからね。再利用に近いですが、洋服の新しいオーナー探しをコンセプトにしています」。
 目指すは「モノの再生」による廃棄物の削減。「世の中のゴミを減らすという目標です。靴にこだわらず、再生できるものに関してはどんどんやりたい。とくに女性にアピールしていきたいです。」

東京都足立区西竹の塚1−69 JKビル 101
TEL:03−6822−3949