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特集 楽しもう! 「キャンプ&ライトアウトドア」

● 関心の高まるキャンプ&ライトアウトドア。
2020年のキャンプ参加人口は610万人、市場規模は3000億円と推定されている。

● 盛り上がる市場だが、キャンプ用品の中で、靴はまだ開拓の余地がある。
とくに普段履きとも兼用できるような、防水性など機能性を備えたライトなアウトドア&キャンプシューズは、靴専門店のねらい目のアイテムだ。

ノーティアム 越谷レイクタウン店

大振りのトートバッグがキャンプアイテムをリード

キャンプ場で活躍するキャンパストート 

 去年4月のリニューアルから1年が経過した「ノーティアム ライフスタイルストア」。もともとスポーツやストリート系のテイストが得意で、ノーティアムオリジナルのバッグ、革小物に加え、感度の高いキャンプグッズ、ライフスタイルアイテムなども充実している。
 越谷レイクタウン店には、店頭にキャンプ&アウトドアグッズをラインアップしたコーナーを設け、“おうちキャンプ”などのシーンで、手軽に楽しめる雑貨感覚のアイテムを品ぞろえしている。
キャンプ対応のバッグとしては「ザ・ケース」から提案される、カラビナのついた大ぶりなキャンバストートが人気。基本的にキャンプは車で移動することが多いので、キャンプ用品を運ぶためのマチが大きなバッグが不可欠。防水対応であるうえに、外ポケットやショルダーもついているため機能的にもすぐれている。

タウンでも兼用できるキャンプバッグで人気

 最近とくに人気のあるブランド「CIE(シー)」では、2ウェイのキャンバスバッグがヒットしている。シンプル&ベーシックなデザインで、大きなサイズはキャンプにも使われるが、それ以外のタウンユースとしても支持されている。大きく開く、ざっくりしたトートバッグが総じて人気が高い。
「コロナの流行が始まった当初は〝ベランピング〟などで、自宅でキャンプ風なライフスタイルを楽しむ方が、手軽に買えるキャンプグッズを購入していました。最近ではコロナが落ち着いてきたこともあり、より本格的なアイテムに手を伸ばす方も増えています」(MDプランナーの小林光さん)。
こうしたニーズに応えるため、現在店頭で展開しているキャンプ系グッズやバッグは、高感度のデザインでありながら、デイリーにも使える機能性を備えたものを意識してそろえている。

アウトドア需要に向けビジカジのコラボバッグ提案

 同店では、店頭で展開するストリート系の「マンハッタンポーテージ」や「クローム」などのブランドと、ダブルネームのコラボレーション企画を展開する。どれも“ノーティアムカラー”であるミントグリーンを一部にあしらった、デザインアレンジがポイント。アウトドア向けのバッグよりも、カジュアルとビジネスの中間的なリュックなどが継続的に動いている。
 また、他店で扱いの少ない「マンハッタンポーテージ」のブラックレーベルは、ストリート系が好きなこだわりの大人層へとリーチしており、客単価のアップが図られているブランド。
 革財布コーナーは全てノーティアムのオリジナルで、こちらも部分的なカラー使いが特徴。これまでカジュアルなメンズ財布のコーナーが少なかったこともあり、メーカーと協業で製作しているとのこと。
「今後のキャンプグッズは、アパレルブランドなどにも拡大してきたため、競合が増えていると感じています。よりエッジの効いた感度の高いバッグアイテムをそろえて、ファンを増やしたいと思います」と小林さんは話す。


埼玉県越谷市レイクタウン4-2-2 イオンレイクタウンkaze 2F
TEL:048・972・6302




西武池袋本店 

普段使いもできる機能商品が支持される

幅広い年齢層が楽しむライトアウトドア

 西武池袋本店8階には、フロアの約半分を占めるアウトドア用品の売場がある。「オッシュマンズ」「ザ・ノース・フェイス」「コロンビア」「エーグル」「フォックスファイヤー」「ひだまり山荘」などがインショップを構え、さらにアシックス、ニューバランス、ミズノ、ヨネックスなどが集積したウォーキングシューズのコーナーもある。
ウエア、シューズ、バッグ、手袋やランタン、充電器まで品ぞろえも充実している。実は10年以上前からあるというこのラインアップなのだが、コロナ禍のため「密にならない」レジャーを求める人々が増えたため、脚光を浴びている。
 「お客さまの年代は20代から60代までと広く、男性も女性もいらっしゃいます。最近は一人で楽しむソロキャンプ、ベランダでキャンプのように飲食を楽しむベランピングのような形もありますので、ライトアウトドアのニーズはぐっと広がっていると思います。目的買いをされるお客さまがとても多く、『ザ・ノース・フェイス』や『コロンビア』などは新作が出ると来店する、DMやインスタグラムなどを見てから来店する方々が増えています」(営業Ⅲ部スポーツ担当 アスレチック・アウトドア係 販売リーダー(アウトドア担当)高林繁さん)。

アウトドアのバッグではリュックと大型トートが人気

 3月下旬から4月にかけては、防水加工を施されたマウンテンパーカーやマウンテンジャケットのニーズが高い。また、バッグも新社会人や新大学生が通勤・通学のためのリュックを購入するシーズンだ。ポイントは、アウトドアでもタウンユースでも使えるものが選ばれる。普段使いできるアイテムの人気が高く、アウトドア用品といえどもここを考慮したデザインが必要となっている。
 埼玉・飯能市に本社を構える「ひだまり山荘」はハイキングから登山、トレイルラン、ノルディックウォーキング、さらには天体観測のニーズまでも幅広くカバーする。シューズも「ホカオネオネ」「キャラバン」「イノヴェイト」など厚いラインアップを誇る。人気なのは「キャラバン」のハイカットのトレッキングシューズと、ローカットのハイキングシューズだ。ゴアテックス搭載で、雨天にも強い。
 「フォックスファイヤー」はミドルからシニアに多くのファンを獲得しているブランドだ。釣り用のウエアやグッズが豊富なことが一つの特色で、冬季では寒冷地でも快適に過ごせるオーロラジャケットが有名。
靴では「セレンゲッティ」がある。アッパーは撥水のフライニットで軽く、アウトソールはグリップ力が高い。同じく「アガディール」は、外羽根9ホールのデザインで調整幅が広く、アッパーは撥水加工を施したヌバック製。バッグではたくさん収納スペースがあってタウンにも使えるリュック「ライデン30」が人気だ。
 ヤングからシニアまで幅広いファン層を持つ「コロンビア」からは、40ℓと大容量のトートバッグ「マディーコード トート」が登場している。そのまま薪やキャンプ用の食器も入れられて便利だ。「スターレンジスクエアバックパックⅡ」はその名の通り長方形をしたリュックで、外側の上下2つのポケットがユニーク。両サイドにもポケットがあって、片側には折り畳み傘収納用として防水加工が施されている。




生活の一部となっていくアウトドアファッション

 「今はまだコロナ禍のため集団で行動することができませんが、コロナが終結すれば仲間とキャンプやバーベキューを楽しむ方が増えるでしょうし、ニーズはさらに広がっていくと思います。ことに『ザ・ノース・フェイス』や『コロンビア』はセレクトショップにも商品が置かれ、アパレルブランドとしても広く知られています。アウトドアに限らず普段使いできるアイテムも多いので、このジャンルはこれからますます伸びていくのではないでしょうか。アウトドアがすでに生活の一部になっているのだと思います」。
 アウトドアがそれだけ身近になってきており、この傾向はこれからも続きそう。

東京都豊島区南池袋1-28-1
TEL:03-3981-0111(大代表)