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 フットウエアプレス > バッグアットランダム ものづくり集団「waji」有形文化財の古民家に工房を移転 

坪庭を備えた建物で若手職人がモノづくり

 プロのものづくり集団として、美容師向けのシザーケースや、鞄・革小物の製造を手掛けるwaji(ワジ)が8月、大阪の有形文化財に登録される建造物に自社工房を移転した。
 古き良き建造物や長屋が軒を連ねる大阪・阿倍野区阪南町は、大阪市が大正末期から昭和初期の第1次都市計画事業で、いち早く住宅地開発が行われた場所。この地で、昭和初期に建築された古民家(国登録有形文化財/登録番号 27-0360)に、wajiが移転、新たな工房を構えた。
 街路に面した木造2階建てで、1階正面は出格子造りで、郊外の通りに面して建つ、町家の遺構を残した建物。1階には玄関と6畳の前室、台所、座敷があり、そして風情ある縁側と坪庭が残されている。2階は広々とした居間とベランダ、良質な座敷もあり、歴史を感じられる造りとなっている。

 

地域の人に開かれてイベント・スペースに

歴史的な建造物ではあるが、かばん作りを担う若手職人たちが、働きやすい快適な環境づくりも同時に考慮している。また縁側には、打ち合わせができる商談スペースも設けている。
 今後は同工房内のギャラリーで展示会を開催するほか、物販イベントなどを実施するなど地域の人も開かれた、気軽に足を運べるスペースにしたい意向だ。

大阪市阿倍野区阪南町 3-21-25