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2023-24 リネアペッレ・レポート

価格上昇中、サステナブルへの関心さらに高まる

来場者の若返りが進む

 第100回の区切りとなる2023-24年秋冬素材見本市「リネアペッレ」は、9月20日から3日間の日程で、伊ミラノ・ローフィエラで開催された。
 出展社は1134社で、日本からも京都レザーと日本皮革産業連合会(皮産連)がオーガナイズするジャパンブースに6社が初出展した。
 109ヵ国から約1万7000人が来場、2022年2月展より32%増加し、イタリア国内は10%増、国外に関しては73%増となった。ヨーロッパ、アメリカ、インド、メキシコ、トルコから来場と、国際的な見本市に戻りつつあるが、アジアからの来場は少なく、中国からの来場者はほとんど見受けられなかった。
注目に値するのは、来場者の年齢が若返っていること。次世代に繋がる未来を見据えた見本市であるということを知らしめた。

関心集めたジャパンレザー

 金銀箔や墨流しなど西陣織や京友禅に使われているテクニックを革で表現している京都レザー。「京都レザープロジェクト」として協力タンナーなどとパリ・プルミエールビジョン、NYリネアペッレに次ぎ、初めてミラノ見本市への挑戦となった。
京都レザーの田尻敏寛社長は「NYは会場がせまいので来場者の目に留まりやすいが、ミラノのリネアペッレは規模が大きいのでそうはいきません。さまざまな模索をしながら、世界へ進出したいと考えています」と語っている。
 一方、ジャパンブースでサステナブルレザー「レッザ・ボタニカ」を提案した富田興業は、ドイツとオランダからサンプルオーダーが入った。
「将来は日本の47都道府県の特色あるもので染めた革を提案していきたい」と富田常一社長は話す。


 トレンド

拡大する魚、植物など動物以外の革

 サステナブル、ベジタリアンの増加などを受けて、魚の革やさまざまな原料を革風に仕上げた素材の提案が広がっている。うなぎやサケ、アマゾンに生息する魚、さまざまな果物の皮、葉っぱや松の木などバラエティに富んでいる。
 サステナブルに関してはリサイクル、自然由来の原料とそれぞれの方向でアップグレードしており、リサイクルの靴ひもまで登場している。
 ヨーロッパのタンナーで懸念されていたのは、原油やエネルギーの価格上昇。ウクライナ問題の終息が見えない中で、いかに企業努力するかが問われているようだ。