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異色店 TALLSHOES(トールシューズ) (東京・日本橋)

スタイルよく歩けると人気のヒールアップ・シューズ専門店

高校生から80代まで幅広い年齢層に人気

 「トールシューズ(TALLSHOES)」はブラザー(横浜市・西区)が運営する背が高くなる靴専門店」だ。現在は東京日本橋店、横浜平沼店、名古屋店の3店舗。リアル店舗とネット通販による販売で着実にファンの増加と売上げを伸ばしている。
 開店4年目の「東京日本橋店」は基幹となるショップで、さまざまな利用者を集めている。顧客の購入目的は多様で、身長にコンプレックスを抱いている人が密かに通販でシークレットシューズを購入する、という昔とは様相が異なる。
 訪れる世代は高校生から80代までと幅広い。身長的には150センチ台の人もいるが、180センチ台と長身の人も来るという。
「長身の方には、必要ないんじゃないですか? とお聞ききすると『もっと格好よくなりたい』と。履き心地の良さはもちろんですが、履く人自身の見栄えが大事になります。スタイリング重視の方に利用される方が大半ですね」(万城目 勝(まんじょうめ・まさる)店長)。
 店で扱っている靴は130足ほど。うち半分がオリジナルの「トールシューズ」になる。すべて背が高くなる靴のみで、プラス5センチ〜12・13センチまで身長が高く見えるシューズをそろえている。
アイテムもスニーカー、ブーツ、ドレスと多彩。また、高さを0・5センチ刻みあたりプラス1100円で調節できるカスタマイズのメニューも備えている。さらにデザインやサイズ、素材、カラーなどを自分好みにしたい人向けに、それぞれ自由に選んで組み合わられるパターンオーダーもある。あらゆるシーンで背を高くできる暮らしが楽しめるしくみだ。


人気のカジュアルはフェスのために購入

 とくに売れているのはカジュアル・タイプの靴だ。7センチアップのオリジナルモデル「A50」は、1万1800円という手ごろな値段でもあり一番人気。スムースレザー、スエード、キャンバスという3パターンの素材で、全10バリエーションを展開している。なかには予想以上に売れて、在庫が切れているものもある。人気の背景には、コロナで自粛気味だったイベントが解禁されてきたこともあるという。
「10センチアップの靴を履いてフェスに参加されるようです。外見は4〜5センチの厚底にしか見えないので、なかにはカスタムで12センチにされる方もいるほど。レディスはコスプレイヤーの方が来店され、10センチ以上の靴を買われます」。
 同店はメンズに特化しているわけではないが、利用客の95%は男性の購買である。


ドレスシューズで2万5000〜3万円弱

 平均客単価は、スニーカーで1万5000円ほど、ドレスは2万5000〜3万円弱になる。白いスニーカーは全世代に人気で、年配客の購入比率も高い。
 ビジネス街の中にあることで革ドレスも人気だが、セメント、グッドイヤー、マッケイの3種タイプをそろえ、幅広い価格で対応している。
「トールシューズ」には、姿勢を改善する効果に惹かれる人もいる。踵が高い分、前傾姿勢ぎみの人でも自然と背筋を伸ばして歩くようになるからだ。背中を丸めがちな姿勢をとっている人も、スタイルよく軽快に歩けるような感覚が味わえるようになる。80代の人が買う理由の中には、この効果を期待したものもあるようだ。
 集客のための宣伝はSNSやHPなどネット、あとは口コミ。SNSをふくめた口コミの効果は大きく「大阪や神戸から買いに来る方もいる」とか。今はひと月で平均250〜300足の販売足数を売るまでになり、来店客の増加とともに売上げも上昇している。



東京都中央区日本橋2−16−6(江戸・もみじ通り)
TEL:03−3510−6212