今月の記事・ピックアップ 2023・5
 フットウエアプレス > コンフォートと生きる アシックスウォーキング錦糸町(東京・墨田区) 
コンフォートと生きる アシックスウォーキング錦糸町(東京・墨田区)

足型計測活用のフィッティングで幅広い年齢層を顧客化

オン・オフに対応できる「ペダラ」が売れ筋

 「アシックスウォーキング錦糸町」は、JR錦糸町駅に隣接するファッションビル「アルカイースト」1階に出店する。アシックスジャパンが展開する「アシックスウォーキング」は2023年に40周年を迎え、現在直営店が全国に53店舗ある。錦糸町店は、東関東でも銀座、新宿と並んで売上高ベスト3に入る重要店舗で、オープンは1997年、11年に一度改装を行っている。
 顧客層は若者から高齢者まで実に幅広い。男女比で見ると、女性が6割、男性が4割。売れ筋は「ペダラ」と「ランウォーク」で、女性の場合は圧倒的に「ペダラ」の購入が多い。「ペダラ」は、ビジネスにもカジュアルにも履ける靴で、通勤にも「帰りの一駅ウォーキング」にも対応できる。
 ウォーキング系では「ペダラ ライドウォーク」がユニーク。ローリングしやすいようトウ部分が上がっているのだが、従来のコンフォートシューズと違いかかと部分がフラットになっていて、グラつきが抑えられている。
 ペダラの価格帯は1万7600〜3万3000円。
 顧客層はほぼ駅を中心に2キロ圏内。入店客は、午前中は65歳以上のシニア、午後は主婦、夕方はビジネス層と時間帯によって変化していき、一日の入店客数は平日で30〜40人、週末には50〜70人とにぎわう。
 「10代の方がお母さまに連れられて、入学式や入社式に履くブラックパンプスをお求めになります。ビジネスにも冠婚葬祭にも履けるので、幅広い年齢の方に支持されています。足長21・5〜26センチ、足幅E1〜E4、ヒール高2・5、4・5、5センチとサイズが豊富で選択肢の幅が広いのも魅力です」(岩田康晴店長)。

3次元足形計測で足を知ってもらう

 アシックスウォーキングの接客は、初めての来店では必ず「3次元足型計測」でからスタートする。まずは計測ポイントにシールを貼り、片足ずつ機械に乗せると数分で完了。機械の中には8台のカメラが内蔵されており、撮影された詳細なデータがPCに送られる。
 足長、足囲、かかと幅、足高、アーチ高、かかとの傾斜角度、第一趾側角度の7つのデータが、それぞれ同世代の平均と比べてどのレベルにあるかがひとめでわかる。またフットプリントやかかとの傾斜角度も出るので、アーチが下がっているかどうか、かかとが外反(もしくは内反)しているかどうかもわかる。
 「データを見ながら、『かかとの傾きもこの程度なら大丈夫』『前足部が遊ぶ感じになっていますが、中敷きで調整できます』などと、お客さまにご説明していきます。それから、データをもとに靴を選んでいくことになります。このデータは、セミオーダーの中敷きを作る際にも役立ちます。計測に興味を持っていただき、中敷きも合わせてフィッティングして納得していただくようにしています」(立原美優さん)。
 スマホからアシックスの無料会員サービス「ワンアシックス」に会員登録してもらうと、足形や中敷きのデータ、また購入履歴がデータベースに保存される。データ管理は、ウォーキングだけでなく、ランニングやアスレチックスの店舗でも行われている。日本国内であれば、どの店舗に行っても店舗側でその顧客のデータを見ることができ、的確な商品をお勧めするのに役立てることができる。会員数は世界各国で750万人を超えているという。

1店舗に3人のシューフィッター

 「アシックスウォーキング錦糸町」には、3人のシューフィッターが在籍する。店長とエリアマネージャーを兼務する岩田康晴さんは高位のバチェラーを、スタッフの栗坂洋美さんと立原美優さんはプライマリーを取得している。1店舗に3人のシューフィッターというのは錦糸町店だけ。それだけに、接客には力を入れている。岩田店長はこう言う。
 「幅広い年代のお客さまにご満足いただけるように、会話力、コミュニケーション力を鍛えていきたい。コンフォートシューズは足によく、履き心地がよいことが条件ですが、デザイン性も高くないと履いていただけません。お客さまのライフスタイルに合った靴をお勧めするのが目標で、そのためにはお客さまとの会話力が不可欠です」。
 さらに、顧客の声を商品に反映させる試みも行っている。具体的に、ペダラの一部商品の足入れが改善されている。この試みは、これからも続けていく計画だ。

東京都墨田区錦糸町3−2−1 アルカイースト1F
TEL:03・3829・5539