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  スニーカーを軸にフルラインナップ「トップスマルシマ」は、ＪＲ南武線と京王線が乗り入れる稲田堤の商店街にある路面店だ。京王稲田堤駅から徒歩１分という近さである。創業は１９２０年で、当時は靴を製造しており大正天皇の靴も手掛けたという。その後、次第に靴の販売へと軸足を移した。現在の小島茂雄代表は３代目に当たり、１９８０年代に経営を受け継ぎ２００７年に「トップスマルシマ」と屋号を変更した。約35坪の店舗には、さまざまなジャンルの靴が展開されている。店頭にはボアスリッパなど季節商品やサンダルなどの季節商品が彩りよく並べられて、道行く人々の目を引いている。店内の主力商品はスニーカーで、キーン、メレル、ニューバランス、ミズノ、ナイキ、スケッチャーズ、ヨネックスなどの人気ブランドが並ぶ。  「とくにミズノの『ウエーブライダー』には、クッション材『ミズノエナジー』がプラスされており、履き心地がよいと評判です。『キーンウォーキング』は、ウォーキングに特化された靴で、ヒールから着地するように工夫されていて土踏まずのリフト感がいい。それぞれに特色があってよく表現されています」（小島代表）。キッズ、ジュニアシューズでは「スキルシューター」（旧称バネノチカラ／ムーンスター）も売れている。レディスのパンプス類もあり、「オールデイウォーク」（アキレス）や「アーチコンタクト」（イチマツ化学工業）などが売れ筋。メンズの革靴では「テクシーリュクス」（アシックス商事）、「バランスワークス」（ムーンスター）が好調だ。価格帯はスニーカーが１万円台、メンズ、レディスも１万円前後と手に取りやすい範囲内に納めている。 各コーナーで効果あげる動画デジタルディスプレイ顧客層はキッズからシニアまでと非常に幅広い。付近の小中学校や幼稚園・保育園を顧客に持つ一方、整形外科や鍼灸院から足にトラブルを抱える人たちも紹介されている。スタッフは小島代表と子息の俊一さん、奥様、店長のほか、３名のアルバイトの計７人で、接客では必ずスタッフがついてセルフセレクションさせないように心がけている。「靴本来の良さを伝えたいのです。靴の選び方や正確なサイズなどもお伝えしたい。インソールを入れたほうがいい場合もありますが、すべてのインソールが合うわけではありません。そのためパッケージを開けられる場合はできるだけフィッティングしていただいています」。 足のトラブルは足底筋膜炎、外反母趾、膝痛などが多い。これらの症状はシニアだけではなく、大学生や子供にも生じているという。そういう人たちに、「足にいい」靴を提案していく。  「靴は服と同様、氾濫しているように見えて実はスキマがたくさんある」と小島代表はいう。そして、「こんなニーズがある」とメーカーにフィードバックしており、実際に製品化されたものも少なくない。 主要ブランドの各コーナーには、デジタルディスプレイが置かれている。いずれも７インチとスマフォ程度の大きさで、各企業から送られてきた動画を流している。10年ほど前に「動画は売上げに効果がある」ことに気づき、たくさん作ってくれるように各メーカーに注文を出した。とくに子供たちは画面が小さいとじっと集中して見るそうだ。 「動画があるとイメージが変わるんです。流れているのは何だろう、ああこの靴か、じゃあ履いてみようか、となる。少しお笑い的要素もあるといいですね。有名タレントの起用などでお金をかける必要はなく、靴の特徴が簡潔に楽しくわかればいいです。ヨネックスの卵を落とすシーンなど、社員さんがみんなでワイワイやれば楽しいですよね」。 フレイルを防ぐために少しでも力になりたい小島代表と子息の俊一さんは、これからこのショップをどこへ導こうとしているのだろうか。 「フレイル※という言葉をよく聞くようになりました。いわば、寝たきりになる手前の状態。その方々の多くが足のトラブルを抱えていますので、少しでも助けになれば。お話しをていねいにうかがって、足に合う靴を提案していきたいです」（小島代表）。俊一さんは理学療法士に筋肉や関節について学び、その知識を顧客たちに伝えている。 「実店舗があるのは、フィッティングが大切だから。中敷きを使っている方でも、靴のサイズが合っていないことがあります。靴店では、靴と中敷きを総合的な観点からお勧めできる。お体の悩みがある方には、それを最優先に考え、一番いい靴をお勧めしていきます」（俊一さん）。 注：フレイル：心身機能の低下とあいまって生活機能が落ちてくること 神奈川県川崎市多摩区菅２－９－１ グランベルジェ１０５ TEL：０４４・９４５・６２１６ |
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