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特集 さぁ本番!「トラベル&アウトドアレジャー」

 東京デリカ

国内旅行や修学旅行の復活で売上げは一気に回復

好評なスールケースのPB「トランジット・ラウンジ」

 コロナは旅行業界に大きな影響を与えた。トラベル需要の大きなバッグ業界もダメージがあったが、東京デリカでは「国内旅行の需要がまったくなくなったわけではありません。二度目の旅行支援が始まった2022年8月からは売上げも一気に伸び、近場の国内旅行や帰省、修学旅行といったニーズで、コンパクトタイプを中心に大きく復活しました」と話すのは、同社第1商品部マネージャー、トランジット・ラウンジ ブランド担当の榊克己さん。
また、旅行の繁忙期には宿代が高騰する理由から、〝ずらし旅〟をする人が増え、今まで2月や9月などあまり売れなかった月も好調という。
ここでリード商品となったのは、スーツケースのオリジナルブランド「TRANSIT LOUNG(トランジット・ラウンジ)」。2009年7月にデビューし、今年7月で15周年を迎える古参ブランドだ。
ロゴデザインを大文字へと刷新し、媒体への露出を増やすなどで若い客層も取り込んでいる。〝推し活〟にも活用できるという豊富なカラーバリエーションと、機能的で値頃なスーツケースブランドとして認知が広がっている。



「ノーティアム」業態がスーツケースの需要獲得

 「トランジット・ラウンジ」の中でも、2020年12月に発売した「リップル」シリーズが売場で人気のモデルとして動いている。東京・千代田区の「ノーティアム秋葉原ヨドバシ」は、この「トランジット・ラウンジ」の売上げが大きいショップである。波のような細かなエンボスが施され、走行性能と静寂性を誇る自社開発の「ハイパーサスペンションキャスター」を採用したキャスターで、価格は8800~1万9800円という、機能的なスーツケースとしては〝コスパが高い〟ことも、人気の大きなポイントになっている。
 このシリーズが、若い女性向け雑誌に掲載されたことから、さらに新しい客層を獲得している。トレンドの「くすみカラー」を含む11色という豊富なカラーバリエーションも、ヒットにつながった。
さらに日経新聞「スーツケースランキング」で10選内にエントリーされたことで、ビジネス世代に認知されることとなっている。



インバウンド開拓の新業態「キャラトラステーション」

東京デリカは新業態「キャラトラステーション」ショップを、東京駅のキャラクターショップが集積する〝東京キャラクターストリート〟に出店している。キャラクター・ファンやインバウンドのお客でにぎわうゾーンとなっているが、同社では人気キャラクターとのコラボレーションのスーツケースもそろえ、インバウンドのトラベル需要を獲得している。
 「今年は『トランジット・ラウンジ』で、より女性らしいデザインを意識した『ビジュー』シリーズも立ち上げました。今年のブランド設立15周年には、リミテッドシリーズなども提案し、トランジット・ラウンジの“ショップブランド化”を図っていきたい。また、今後は海外旅行需要も復活していくと思われるので、大型スーツケースの売上げにも期待したいところです」と榊さんは話す。

◆株式会社東京デリカ
 葛飾区新小岩1丁目48番地14号 第3デリカビル 03-3654-5311(代表)





 松屋 銀座本店

おしゃれな厚底スニーカーがトラベルシーンで動く

履きやすさとデザイン性でスニーカーが支持される

 昨年5月のコロナ明けには、スニーカーとカジュアルシューズが売れた。現在は落ち着いているが、オケージョンの復活もあって、パンプスのニーズが上がっている。一方でスニーカーが浸透してきており、スニーカーとパンプスが売場の二本柱となっている。これは暖冬もあってか、秋冬シーズンでも変わらなかった。
 「トラベルのニーズはあります。昨年は海外出張が解禁になったので、フラットパンプスやスニーカーをお求めになるお客さまが来店されました。履きやすさと軽さに加えてデザイン性も求められています。売場ではウォーキング系、コンフォート系は扱っていないので、おしゃれなスニーカーでのご提案になっています」(自主運営部 婦人課 MD担当 伊勢田京平バイヤー)。
 好評なのが厚底スニーカーだ。若い世代から広がったものだが、現在では多くのメーカーが手掛け、また広い層に支持されている。
 「ドミニクバー」の新作ハイカットスニーカーは、かかと部分のソールが7センチもある。モード・エ・ジャコモの黒のニットスニーカーは、面ファスナーでフィット感をあげることができるスポーティーなタイプだ。デザインではボールチェーン使いが新しい。
イタリアからのインポートブランド「ルカグロッシ」も厚底スニーカーを提案していて、トレンドのゴールドの素材を部分使い。脇線のゴールドが効いている。「卑弥呼」の厚底スニーカーではシルバーをトウ、かかとなどに使い、ゴージャスな雰囲気を出している。



ミセス層の厚底スニーカーはすっきりとしたシルエットで

 ミセス層が支持する厚底スニーカーは、スポーツ系やヤング向けの厚底スニーカーとは違い、形がスマートになっている。ソールがアッパーに沿った形でコバ部分がなく、横から見るとボリュームがあるのに、上からだとすっきりとまとまったシルエットになっている。
 これらの厚底スニーカーは、軽さもあり履きやすい。アウトソールがしっかりしているので、多少歩きにくい道でも体を支えてくれ、振動も吸収できる。デザイン性も高く、ちょっとしたホテルのラウンジでも遜色ない。まさに、トラベルシーンにはぴったりだ。
 「当店婦人靴売場のお客さまは40代から60代の女性。数年前には厚底スニーカーのボリュームに抵抗感があった方もいましたが、今やすっかり定着したようです」。 
とはいえ、普通のスニーカーのほうがいい、というケースも。そんなときは「MIHAMA」のきれいめなレザースニーカーがお勧めだ。スムースとスエードのコンビで、定番的な形が歓迎されている。



3月にはニットパンプスのポップアップ・ショップも

3階婦人靴売場では3月2日から春物商品に切り替わる。主軸はパンプスやスニーカーで、これにサンダルを加えていく。パンプスはフラットが主流だが、オケージョン対応も復活していてピンヒールも登場している。
合わせて3月20日から26日まで、1階イベントスペースで「VIVAIA」という靴ブランドのPOP-UPショップが開催される。ペットボトル由来のエコ素材を使用したニットパンプス&スニーカーで、履きやすくゆったりとしたフォルムだ。カラーバリエーションも富んでいる。こちらもトラベルシーンで活躍できそうな一足だ。

東京都中央区銀座3-6-1
TEL:03-3567-1211