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店長の仕事 高山亜樹さん (スーパーバイザー 兼 エスペランサルミネエスト新宿店店長)

スタッフの役割を決め責任感を持たせる

 「エスペランサ 新宿ルミネエスト店」は、エスペランサ19店舗のなかでも売上げ1位を誇る、重要店舗だ。さらに3月に開催された、全国2000以上あるワールドの店舗から優秀店・個人を選ぶ「ワールド グループ アワード」では、同店サブの田辺聖子さんが総合優勝を、二反田祐美さんが3位に輝いた。ルミネカード獲得数では、全国のルミネに入居する店舗の中で4年連続トップを誇る。とにかく、名実ともにトップのショップである。
 このショップをけん引しているのが、高山亜樹店長だ。エスペランサを代表する「高寸ピンヒール」の靴が大好きで、よく購入していたという。ファッション系の仕事にあこがれがあり、エスペランサの店頭に立つことに迷いはなかった。そして、店長になって一貫して力を入れてきたのが「チームワークづくり」だ。
 「お店は、私ひとりで回しているわけではありません。チーム力が一番大切。欠かせないのが、毎月のサブとのミーティングです。サブの目からお店がどう見えているのか、スタッフの状況はどうなのか、綿密に打ち合わせをします」(高山店長)。
 7人のスタッフには、それぞれ「発注担当」「店頭のサイズ出し担当」など、役割が決められている。役割があれば、責任感が生まれ、達成感も味わえる。

自分で考えさせ導いていく指導を

 スタッフ同士がうまくいかないときもある。「こう思っているのに、あの人がやってくれない」「何も言ってくれない」など、コミュニケーションがうまく取れず、店頭の雰囲気も重くなる。そんなときは、店長が間に入って本人同士から話を聞く。
 「自分の理想はどうなの」「今、何が足りないと思う?」と問いかけ、「コミュニケーションが足りなかった」と答えが返ってくれば、「どうしたら増やせると思う?」とさらに問いかける。スタッフ自信に考えさせ、導いていくのが大切だ。自分で結論を出す方が、思い入れが違ってくる。結果、自然に話し合いができて業務がスムーズに進むようになる。「今や、私がチームに支えられている」と、高山店長はいう。
 チームワークの良さは、すぐに接客に現れる。来店客も多い繁盛店だけに、複数接客となるシーンが多い。そんなとき、ごく自然にフォローに入って待たせすることなく、円滑に接客を進めることができる。ホウレンソウ(報告・連絡・相談)もしっかり行うから、齟齬(ルビ:そご)が生まれることもない。
 このチームワークづくりを、高山店長は趣味のアニメや動画からも学んでいる。「組織づくりにはこんな問題が起きるんだ」「こうやって解決するのか」など、普通の人の見方とは一味違う鑑賞方法で、実際の仕事に生かす。
 

「シスター制度」の育成で店長や店長候補を輩出

 店長にとって、重要な仕事の一つがスタッフの育成だ。新宿ルミネエスト店では、「シスター制度」を取っている。
 「店長が全員を指導できるわけではありません。そこで私がサブを指導し、サブがその下を教え、その人がまたその下の人を教えていく。途中に何人かのリーダーがいて、ピラミッド型の組織をつくるのです。こうすれば指導にムラができることはありません」。
 高山店長の目標は、「このお店から店長や店長候補を輩出すること」。ルミネ有楽町店の店長は、かつてルミネエスト店のサブだった人で、同店は「ワールド グループ アワード」の「計画達成ランキング」上位に。さらにこのルミネ有楽町店の店長が、大宮ルミネ店の店長を育てた。まさに、シスター制度がスケールアップした形である。
 高山店長は、スーパーバイザーとして新宿ルミネエスト店、ルミネ有楽町店、錦糸町アルカキット店、ペリエ千葉店の4店舗を管理する立場にある。浅草のエスペランサ本部で開かれる新人研修も行うという多忙な毎日だが、日々のチームワークづくりを怠ることはない。

東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿店 4F
TEL:03・3341・6150