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業態店レポート 「オンワード・クローゼット-セレクト」銀座インズ店

OMO型ショップとして2021年スタート

 オンワード樫山の展開する「オンワード・クローゼット-セレクト 銀座インズ店」は、東京・有楽町のSC「銀座インズ1」1階にある、約50坪のショップである。扱う商品はオンワード樫山のアパレルブランド「エニィスィス」「組曲」「アンフィーロ」と、ニットシューズブランドの「ステッピ」の4つ。昨年11月にオープンしたばかりの新店だ。
 「オンワード・クローゼット-セレクト」の業態は2021年からスタートし、イオンモール羽生店、ららぽーとTOKYO-BAY店などがオープン、日本では珍しいOMO型のショップとして注目を集めた。OMO(online merge with offline)とは、オンラインとオフラインの融合といわれるもので、オンワードのECサイト「オンワード・クローゼット」と実店舗が融合したショップである。
扱う商品は、店頭にある商品だけでなく、ECサイト内にあるブランドや商品もお取り寄せ・試着・購入ができる。これが「クリック&トライ」のサービスで、実際にタブレットやスマフォからアクセスして接客にも活用する。時期にもよるが、1日5~6件はこの「クリック&トライ」サービスを経由した来客があるという。

エコで歩きやすいニットシューズ「ステッピ」

 靴はオリジナルブランドの「ステッピ」で、ニットシューズを展開している。フラットパンプス、サンダル、スリッポンなどがあるが、基本的に丸洗いができ、アッパーのニット部分はペットボトルなどから再生されたリサイクルポリエステルを採用している。カップインソールが装着されており、クッションが効いていて履きやすい。軽さもあり、フラットパンプスは片足で卵2個分の重さだという。
 「多機能ニットシューズ」と呼ばれる、ハンズフリー系のタイプもある。整形外科医とのコラボレートから生まれたもので、最初は医療用として開発された。後に一般向けに販売、「両手がふさがっていてもさっと履ける」と好評だ。「ステッピ」の価格は7900~1万円台前半。夏のみでなく、秋冬もニットシューズを展開している。
 ウエアでは、夏の機能素材が売れ筋となっている。
 「アンフィーロ」は、「動く。すべての人に、機能美を。」とうたい、機能性とともに着心地のいい美しいデザインを追求する。この夏は「スゴ機能ニット」がヒット。洗濯しても型くずれしにくく、接触冷感、さらりとした肌触りなど「Tシャツではないきちんと感を出したい」ニーズに合った商品だ。
 「エニィスィス」では、機能性満載のカットソーが好調。汗じみ防止、UVケア、接触冷感、洗濯機で洗えるなどの機能が付いて3300円とお手ごろ価格。ウエストにステッチが入っていて、シルエットがきれいに見える。



お客が思っていた以上の情報を提供する

 「接客で大切にしているのは、お客さまが本当に求めていることをご提案していくことです。先入観を持たないようにし、お客さまが見ているものを見守って、『2回くらいご覧になって、戻っていらっしゃったな』と思えば、そこで商品のご説明をします。いきなりお勧めすることはしません」(東日本営業グループ 首都圏・甲信エリア 第三Div. 第一リテールSec.エリアマネージャー 松本千織さん)
 そのとき提供する情報が、「お客さまが思っていた以上のものであればリピーターになってくださる」というのが、松本さんの考えだ。試着のときも、まず着てもらい、その服に合うパンツや靴を必要に応じて用意する。それから、良いところを説明していく。そのためにまず必要なのが商品知識。店頭にあるすべての商品を知るために、一度は着用してみて体感し、接客に生かしていく。
 「オンワード・クローゼット-セレクト」は全国に140店舗あり、立地もファッションビル、イオンモール、百貨店とさまざま。店によってブランドを変えることができ、メンズブランドの入っている店や、メンズのみのショップもある。地域に合ったフレキシブルな対応ができるわけだ。OMOはオムニチャネルの次の新しい概念であるといわれるだけに、一層の伸びが期待できそうだ。

東京都中央区銀座西3-1先 銀座インズ1 1F
TEL::03-3538-9511